「勉強」より「学び」を。学ぶことが好きになるPYPの授業に潜入。
みなさん こんにちは。英数学館の渡辺です。
突然ですが、みなさんは子どものころ勉強って好きでしたか?
もしくは現在生徒のみなさん、勉強は好きですか?
そもそも「勉強」って、勉め強いると書いて、努力を強いる、力を尽くしてすることを強いるという意味なのですが、誰かが誰かにやらせると言う、本来の学びとは少し違った意味が含まれていると感じられるのは私だけでしょうか。
はっきり言って私は学校の勉強があまり好きじゃなかったです。
学校で働いているのに、ごめんなさい…。
「やればできるのに…。」
先生にそう言われながら過ごした学生時代。
みなさん、そんな経験はないでしょうか?
でも、英数学館小学校の子どもたちはなんだか「学ぶこと」を楽しんでいるように見えるし、ちょっと私が勉強していた時とは違う様子です。
何が楽しいのか?そのコツは?
実際に現場に潜入して、そこにある様々な工夫を見つけていきたいと思います!
1.学びを楽しむ工夫
まず、小学校の校舎に入っての第一印象は「カラフル」。
廊下や教室、掲示物などがとてもカラフルでにぎやかで、視覚的に楽しい!
もうすでに、ワクワク。
それから、教室の床に敷かれたラグに目が行きました。
今年は新型コロナウィルスの影響で密を避けるためラグを出していなかったそうなんですが、私が見学したときはたまったま!ラグが出ていました。
ラグの上で子どもたちは円になり、自由に発言しながら季節について学んでいました。
季節の特徴を分類し、次々に飛び出す英単語や、笑顔。外国人教員との自然なコミュニケーション。
見ているだけで、なんだかワクワク。
子どもたちが学びを楽しむ工夫、ワクワクの種は校舎のあちらこちらに仕掛けられていました!
2.教科の枠を超えた学びUOI
探究。それは中高生だけのものではありません。
小学生だって探究します!
このnoteでも土屋副校長の記事で探究についてお話ししていただきましたが、実際に英数学館小学校でもUOIという探究の授業を行っています。
先ほどの季節についての学びも探究です。
まず、UOIとはUnit of Inquiryの略で、日本語に訳すと「探究の単元」となります。
国際バカロレアで3~12歳を対象とした初等教育プログラムのプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)では、教科の枠をこえた6つのテーマに関連した中心的アイディアや探究内容等を約8週間かけて一人一人がとことん探究していきます。
3.非認知能力を育む学びUOI
小学校2年生のUOIをご紹介します。
【教科の枠をこえたテーマ】
Where we are in place and time:私たちはどのような場所と時代にいるのか
【UOI(題材)】
お祝いやお祭り
【中心的アイディア】
人々の共通した願いや思いによってお祝いやお祭りがつくられている
【探究内容】
お祝いやお祭りの特徴 ・種類 ・理由 ・意義
【学習の進め方】
PYPでは、疑問や興味(Wonder)を持つことが学習のスタート地点となり探究が始まります。様々な未知のものに対して「知りたい」「おもしろい」と感じることが学ぶためには重要になります。
(伝統あるお祭りを主催している方を招き、出張授業を実施した時の様子。)
児童はどのお祝いやお祭りについて探究するかを主体的に自分で選択していました。
七五三や、誕生日など身近なものから、世界各国のお祭りまで!
そしてどのお祝いやお祭りについて調べても、一定の目標にたどり着けるように指導者がコーディネートしていきます。
目標に達するための学びを自分で選択しデザインできるのが、従来の一斉指導と大きく異なる点ですね。
「水の月曜日」という春を喜ぶ祭りについて、ポーランド出身の本校教員に英語でインタビューをしている様子。
お祝いやお祭りについて、国語や図工、社会、道徳などの教科を横断してとことん探究していくと、内容についての理解や読み書きする力、と言った認知能力が育まれていきます。
併せて他者の意見を尊重し、共感的に理解しようとする態度やグループでの学びに積極的に貢献しようとする態度など、テストで評価することが困難な力(非認知能力)も育むことができます。
4.元勉強嫌いが思ったこと
今回は低学年のクラスを見学したんですが、まず思ったことは「楽しい!!!」
この前まで幼稚園・こども園に通っていた子どもたちが、外国人教員にも臆することなく英語でどんどん発言し、主体的に学びを進める姿を見て、本当に楽しんで学んでいることが伝わってきました。
そして、低学年の子どもたちがすでに英語を自由に使っているなんて、高学年になったら一体全体どうなっちゃうの!?っと驚きと期待でワクワクしました。
【子どもたち自身が未来を切り開く力を身に付ける】
まさにその瞬間を目撃したように思います。
授業だけでなく、校舎や日常のあちこちに仕掛けてあるワクワクの種を見つけ、「こんな学校で学びたかった」「わが子をここで学ばせたい」と思いました。
勉強(勉め強いられる)に楽しさを見いだせなかったあの頃の私に教えてあげたい。
あの時感じていたけど、声に出せなかった「なんで?どうして?」。
その疑問に寄り添ってくれる学校があるんだよって。
5.日本でPYPの学びができる小学校
今、日本でPYPの認定校は45校、候補校等は15校(令和2年11月30日現在)です。
2020年1月に英数学館小学校も中国・四国、九州地方では一条校として初めてのPYP認定校となりました。
小学校からのUOI、本当におススメです!