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無償化って本当?知ってるようで知らない就学支援金。

『私立高校が実質無償化』

この言葉を耳にしたことがある方、どれ位いらっしゃるでしょう。

『無償』

現在その言葉だけが独り歩きしているような印象を受けていますが、果たして本当に『無償』になるのでしょうか。

結論から言うと、ほとんどの私立高校で『無償』にはならないでしょう。

今回は『私立高校実質無償化』いわゆる就学支援金の抑えるべきポイントについて分かりやすくお話ししていきます。

ここでは全日制過程の場合として話を進めていきたいと思います。

1.高等学校等就学支援金制度とは

高等学校等就学支援金とは2010年に実施された、日本の教育制度において公立高等学校などの授業料を無償化し、また私立高等学校などに就学支援金を支給して授業料を低減することを目的とした制度です。

なんだか難しいですが、2010年から公立高校の授業料がタダになるから、同じように私立高校に通う生徒の授業料からも公立高校の授業料分の9,900円を引きましょう。

という国の制度です。

そう!就学支援金は国が実施している制度なんです。
「国が」ここポイントです!

制度ができた当初は保護者の収入により月額19,800円が上限として支給されていましたが、就学支援金制度ができて10年間でずいぶん制度内容も変化し、令和2年4月からスタートした新制度では月額33,000円が上限になりました。

さらには、保護者の収入の判定方法も変わり、さらに手厚く支援を受けられるようになりました。

では、就学支援金はどのような方法で支給されるのでしょう?

支給方法は、まず学校が国から代理受給します。
そして学納金から差し引いた学納金の差額分を保護者の方に請求するようになります。

直接保護者の方に支給されるものではないので、ご注意くださいね。

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文部科学省 私立高校実質無償化リーフレットより

2.高校無償化ではなく授業料無償化

令和2年4月からの上限額の引き上げにより『授業料無償』とうたわれるようになったことで多くの保護者の方々が、私立高校がタダになる!と思われたと思います。

ですがこの『授業料』というところに注目してほしいのです。

学校に払うお金は各学校それぞれで違いますが、英数学館を例に挙げてみましょう。

・授業料
・実習費
・施設設備費
・諸費

英数学館では、この4項目を合わせて学納金と呼んでいます。
このうち授業料だけが就学支援金の対象になります。

あれ?そのほかの3項目は?と思いますよね。
そのほかの3項目は対象外となり、保護者の全額負担となるのです。

国の制度は『高校無償化』ではなく『授業料無償化』ということ。
そこがポイントなんです。

3.もう一つのポイントは世帯収入

そして就学支援金のもう一つのポイントは保護者の収入です。
私立高校に通う生徒がすべて等しく同じ支援を受けれるかというと、そうではありません。

保護者の収入によって支給額は大きく変わります。

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※文部科学省 私立高校実質無償化リーフレットより

文部科学省の就学支援金リーフレットにはこのように記載されていますが、自分が実際にどこの区分に入るのか、計算式に当てはめようと思ってもなかなか難しいですよね。

難しい計算式で考えるのではなく、各世帯構成によって差がある場合もありますが3段階の世帯年収の目安で考えてみましょう。

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さあ、あなたの家庭の世帯収入は①~③の、どこの区分に入るでしょうか?

だいたいでもいいので、世帯収入を把握しておきましょう。

4.就学支援金の申請時期や申請方法

就学支援金の申請は、高校3年間で4回あります。
まず、入学後すぐの高校1年生の4月。そして高校1年生の7月、高校2年生の7月、高校3年生の7月です。

なぜ7月とか中途半端な時期に?と思われるでしょうが、その年の世帯の課税額が決定するのが例年5月ごろになっている事と関係があります。

なぜなら前年の世帯収入に係る課税額が就学支援金の判定基準額となっているからです。

申請方法は、学校から配布される書類に必要事項を記入し、必要書類をそろえ学校の担当窓口に直接提出します。

令和元年7月の申請から、マイナンバーカードの写しの提出が必要になり今まで以上に厳重な管理をするため、英数学館では生徒本人から必ず手渡ししてもらうようお願いしています。

令和3年度の詳細はまだ発表されていないので、令和2年度4月に実際に用意していただいた書類を例に挙げて行きましょう。

・令和元年度課税証明書(保護者全員分)
・マイナンバーカードの写し

その他の必要書類は学校から配布されますので、入学前に上の2つの書類を用意していただくと、入学後すぐの受給認定申請がとてもスムーズに行えます。

ここでポイントになるのは、例えば保護者2名のうち1名が仕事をしていないので収入がない場合。

その場合でも、市役所などで非課税証明書を発行してもらえるので必ず保護者全員の課税証明書を用意してくださいね。

ただし、これは令和2年度実績なので令和3年度にはまた違ってくるかもしれません。

毎年制度が少しずつ変わってきているので、各学校からの案内をよく確認することをオススメします。

5.さらに手厚く授業料等軽減制度

ここまで国の制度、就学支援金についてお話してきましたがそれとは別に都道府県の授業料補助制度があるんです。

都道府県それぞれ制度名も補助内容も違うため、進学を希望する都道府県について確認しましょう。

今回は、英数学館のある広島県の制度についてご紹介します。

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国の就学支援金制度だけではカバーできなかった項目が対象となっているため、県の制度を併用することで本当の『私立高校無償化』となるんですね!

と思うでしょうが、なりません!

正しくは条件に当てはまれば無償化となるご家庭もあるかもしれません。

私立高校無償化が実現する条件は以下です。

・世帯収入が0~350万円
・進学する高校の学納金の項目が授業料・施設設備費・実習費のみ
・すべての学納金の月額合計が5万円以下
・入学金が18万円以下

上の条件に当てはまるご家庭だと、限りなく無償化には近づきますね。

6.実際の学納金に当てはめてみよう!

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では、英数学館高等学校の募集要項に記載されている学納金に当てはめてみましょう。

各世帯の構成などによって差はありますが、おおよその目安として収入ごとに4つのパターンで見ていきましょう。

【世帯収入320万の場合】
・アドバンストクラス→5,000円(月額)
・IBクラス→35,000円(月額)

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【世帯収入550万の場合】
・アドバンストクラス→12,000円(月額)
・IBクラス→52,000円(月額)

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【世帯収入750万の場合】
・アドバンストクラス→35,100円(月額)
・IBクラス→75,100円(月額)

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【世帯収入1000万の場合】
・アドバンストクラス→45,000円(月額)
・IBクラス→85,000円(月額)

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結論としては、私立高校無償化とはある一部の条件に当てはまるご家庭は十分に補助を受けることができますが、それ以外のご家庭は十分に補助を受けれるとは言い難いのが『私立高校無償化』のほんとのところです。

7.まとめ

私立高校無償化の押さえておきたいポイントは3つ。

①就学支援金は授業料のみ(国の制度)
②それ以外の項目をカバーする授業料等軽減制度もある(県の制度)
③世帯収入によって補助額は大きく違う

私立高校に進学を希望するお子様をお持ちのご家庭は、世帯収入からどの程度の補助を受けることができるのか、実際に負担する学納金の額を把握しておくことが大事です。

そして、例えば英数学館で言えばスポーツ奨学生制度や学業奨学生制度というように、各学校独自の減免制度などもあるのでお子様の「好き」や「得意」を武器に、しっかり志望校についてリサーチしたうえで、お子様にあった高校に進学できるよう、このnoteが少しでもお役に立てば幸いです♪