見出し画像

私立に通う「小・中学生」対象の補助金制度をまとめてみました

みなさん、こんにちは。
先日公開した「無償化って本当?知ってるようで知らない就学支援金。」の記事にたくさんの反響をいただき、ありがとうございました。

前回は、「高等学校」対象の国の「高等学校等就学支援金」と広島県の「授業料軽減制度」についてお話ししましたが、今回は私立小中学校に通う場合に受けることができる補助制度についてのお話です。

小中高すべての私立に子どもを通わすうえで、やっぱり気になるのはお金のこと。

国・県・市それぞれにどんな補助制度があるのか順番に見ていきましょう!

画像1

1. 私立中学校等修学支援実証事業(国)

はじめに、国の補助制度「私立中学校等修学支援実証事業」(小中実証)についてです。
小中実証は平成29年に始まった私立小中学校等に通う児童生徒への経済支援です。

この制度は実験的なもので、期間が平成29年度~令和3年度の5年間と定められており、期間終了後は未定のため、現在の制度について説明します。

【制度概要】
低所得世帯に属する私立小中学校の教育に係る経済的負担軽減。
返済不要。

【対象者】
7月1日時点で、私立小学校または中学校に在籍する児童生徒をもつ保護者

【認定基準】

・児童生徒が、祖父母等から教育資金の一括贈与を受けていないこと
・保護者等全員の年収合計が約400万円以下(目安)
・保護者等全員の保有資産額の合計が600万円以下
 ※同居の祖父母等がいる場合は、保護者等に含まれます。
・誓約書を提出すること
・アンケート調査及びヒアリング調査

【支援金額】
最大年間10万円

【申請時期】
例年7月~8月頃

【申請方法】
学校から配られる申請書及び添付書類を期限内に学校に提出

【受給方法】
学校が代理受給後、保護者の口座に振込(学校ごとに異なるので要確認)

この小中実証は、実施当初は保護者等の課税証明書のみを提出するものでしたが、初年度に文部科学省の想定の2倍の申請があり9億円分の予算が不足する事態に陥りました。

そのために、2年目から申請方法が複雑になり、たくさんの提出書類や添付書類が必要になりました。

申請書や課税証明書はもちろん、保護者等全員の預貯金残高の分かる通帳のコピー、定期預金・有価証券等の残高確認書類のコピーなどが必要です。

さらには、貴金属や投資信託の残高証明書、タンス貯金にいたるまで、家庭の資産保有額を確認させていただくようになります。

住宅ローンは含みませんが、負債がある場合は残高証明書の提出が必要です。

もし祖父母等と同居している場合には、同様に資産保有額の確認が必要になります。

それから、例えば離婚等により学費を負担しているのが親権のない父親などである場合にも学費負担者の資産保有額の確認をさせていただくようになります。

簡単に言うと、世帯全員の大人分の収入、資産から負債に至るまで全部出してくださいね。そのうえで補助対象者かどうか判断をしますからね。ということです。

小中実証を申請する場合のポイントとしては、たくさんの必要書類の記入と、たくさんの添付書類の準備を根気強くする覚悟と、家庭のお金のことすべてを学校担当者に開示する覚悟が必要です。

小中実証の印象としては、必要書類が多すぎてとにかく申請が大変!!
その一言です。

2.授業料減免事業支援特別経費補助金制度(県)

つづいて、県の補助制度です。
ここでは英数学館がある広島県の補助制度をお話しします。

授業料減免事業支援特別経費補助金制度(小中減免)は、生活保護法による生活扶助を受けている場合や、入学後に児童生徒の保護者が、失業、倒産、死亡、離婚などで世帯収入が激減した場合に、授業料を減免する制度です。

【制度概要】
生活保護世帯や入学後の家計急変世帯の授業料負担を軽減することで、児童生徒が継続して就学することを支援する

【対象者】
私立小中学校、私立各種学校に通う児童生徒の保護者等

【認定基準】
・保護者等全員の生活保護制度上の生活扶助の受給
・入学後に保護者等の失業、休職、死亡、離婚、その他特別な事情による世帯収入の激減(家計急変)
・家計急変後の世帯収入に基づく保護者等全員の所得割額合算が非課税又は85,500円未満であること

【支援金額】
・授業料全額(生活保護世帯)
・授業料の3分の2(非課税世帯)
・授業料の2分の1(所得割額合算85,500円未満)

【申請時期】
家計急変の事実発生日が確認基準日
1月1日・7月1日に所得を確認する

【申請方法】
学校に用意してある申請書及び添付書類を学校に提出

【受給方法】
保護者等に直接受給されるものではなく、学校が代理受給後、受給額を差し引いた授業料を保護者等に請求する

この小中減免は、家計急変が起こった事実が発生した日から申請することができ、早くて翌月から減免が開始されます。

国や県の補助金制度のなかでも、実際に制度開始されるまでの期間が早い制度です。

そして一度認定された後も、1月1日・7月1日に所得を確認し、再就職などで家計急変事由がなくなるとそれ以降の減免を受けることはできません。

小中減免のポイントは世帯の中で何かしらの変更があった場合やそれが分かっている場合には、まず学校に相談することです。それもなるべく早く。

さかのぼって申請することはできないので、ご注意ください。

画像2

3.就学援助(市)

最後は市の補助制度、就学援助についてです。
ここでは福山市を例に挙げますが、各市で就学援助が実施されているのでお住いの地域の学事課のHPから検索してみてくださいね。

【制度概要】
経済的な理由により就学困難と認められる児童生徒に就学に必要な費用の援助を行う制度。

【対象者】
・要保護児童生徒(生活保護法に基づく教育扶助を受けている)
・準要保護児童生徒

【準要保護児童生徒認定基準】
・生活保護の停止又は廃止された
・非課税世帯
・市町村民税の減免を受けた
・個人事業税又は固定資産税の減免を受けた
・国民年金保険料の半額以上の免除を受けた
・国民健康保険税の減免又は徴収猶予を受けた
・児童扶養手当の支給を受けた
・生活福祉資金の貸付を受けた
・経済的に困っている

【支給費目】
・学用品費
・通学用品費
・校外活動費
・修学旅行費
・入学準備費
・医療費(むし歯などの特定の疾患に限る)
・学校給食費

【申請時期】
・4月上旬(小中新1年生)
・3月中旬(その他の学年)

【申請方法】
学校から配布される支給申込書と認定基準ごとの添付書類を学校へ提出

【受給方法】
学校が代理受給後、保護者に支給する

就学援助は、「入学準備費」入学前支給申込書を提出することで、小中学校に入学する前から援助を受けることができるという特徴があります。

各費目の支給額は下の表をご参照ください。(2020年度配布資料)

画像3

4.知っておいて損はない!

ここまで小中学生対象の3つの補助制度についてお話してきましたが、全体的に高校ほど手厚くはない印象です。
それは小学校中学校が義務教育であることに関係していると予想されます。

制度自体も条件等があり、多くの人が対象となるわけではないですが、このような補助制度があるということを知っているのと知っていないのとでは、何かがあったときに行動が違ってくると思います。

「こんな制度あったな~」

程度で大丈夫なので、頭の片隅にでも留めておいてくださいね。

この他にも、学校特有の支援制度、民間企業や財団法人なども様々な支援制度を持っていますので、是非調べてみてはいかがでしょうか。

そして、お住いの地域によっても様々な支援制度があるのでぜひ一度ご確認しておいて損はないと思いますよ♪

5.オマケのはなし

最後に余談ですが、つい先日、令和3年度高等学校等就学支援金の詳細が発表され、前年度からの変更点はほぼありませんでした!
変更点は1つで、高校1年生4月の申請の際に用意する書類が1つになりました。

・マイナンバーカードのコピー(保護者等全員分)

をご用意して4月をお待ちください(^^)


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!