創部36年、地元の選手ばかりのチームが全国に行くまで
英数学館の渡辺です。
英数学館のことで、どうしてもお伝えしたいことがあって、半分自慢になってしまうかもしれませんが、お許しください。
でも教育を届ける側にとっても、教育を受ける側にとっても、とても大切な思いが詰まっていると思いますので、最後までお読みいただければ嬉しいです。
この度、英数学館高等学校男子バスケットボール部が【ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会】に出場することが決定しました!
おめでとうございます!!!
ありがとうございます!!!!!!!!!
福山地区からの全国大会出場は実に56年ぶり、ウインターカップに関しては初出場だそうです。ウインターカップとは野球で言えば甲子園、ラグビーで言えば花園のような大会です。
今回は、英数学館男子バスケットボール部の教師と部員のお話です。
高校男子バスケットボール部の紹介
高校男子バスケットボール部は創立して36年。英数学館の指定強化部であり、特に力を入れている部活の1つでもあります。
チームの愛称
「ARCTOS(アルクトス)」
モットー
「皆様から愛され応援される憧れのチーム」
スタッフ
辻 宗明(ヘッドコーチ)
鈴木 堅剛(アシスタントコーチ)
完山 真生(アシスタントコーチ)
部員数(2020年11月現在)
3年生8名
2年生6名
1年生13名
合計27名
最近の試合結果
第63回中国高等学校バスケットボール選手権大会広島県予選 ベスト8
第72回中国高等学校バスケットボール選手権大会広島県予選 ベスト8
令和元年度広島県高等学校秋季バスケットボール大会 第3位
第67回広島県高等学校バスケットボール新人大会 第3位
令和2年度広島県高等学校秋季バスケットボール大会 準優勝
地元に根付き地元の選手で全国を目指すチーム
バスケットボールでは身長が高い選手がいることが勝つための一つの大きな要素になるため、他地区や他県に目を向けることでより体格に恵まれた選手を獲得することもできるかもしれません。スポーツに力を入れる学校はスポーツ推薦などで全国から優秀な生徒を集めたりもしています。
でも・・・、
英数学館では、現在の部員のほとんどが福山地区の出身です。
その理由に辻ヘッドコーチは、
「どこか他の地区や他県から選手を連れてくるのではなく、地元福山の選手を鍛え育てて、その選手たちで全国に行きたい。スポーツを通じて地元を盛り上げたい。福山地区のレベルを底上げしたい・・・。」という強い思いがあります。
地元への思いから、毎年IH予選が終わった後の7月ごろに、福山地区の中学校のチームを招待して8チームから9チームくらいと練習ゲームをするようにしています。
そして今年の場合には、新型コロナウィルス感染症の影響で中学校の大会も中止が相次いだことにより、中学3年生にとっては最後の学年であるにもかかわらず、大会に出ずに引退をしてしまうというケースも出てきそうな状況にありました。
そこで、8月5日にBリーグ(男子プロバスケットボールリーグ)B1に所属する広島ドラゴンフライズと英数学館が主催して、福山市内の中学校の男女各8チームを集めてARCTOS CUP(アルクトスカップ)を開催しました。
会場は新しくできたエフピコアリーナという大きな体育館で4面のコートすべて貸切りにして行いました。
参加した選手たちからは、
「久しぶりに緊張感のある試合ができてうれしかった」
「コロナでこのまま引退するんだと思ってたけど、最後に大会に出ることができた。これで次に向かえます」
「最後に仲間たちと一緒に締めくくることができた。感謝しています」
など、これまで仲間たちと中学校生活を全力で走り抜けてきた生徒たちの熱く正直な声をいただくことができました。
本校の部員たちも、いつもはサポートしてもらうことが多い立場なので、今回の大会でプレーすることなく運営に徹することで、普段どのように大会が運営されているのか、どれだけの人が協力してくださっているのか、ということも感じ取ることができました。
そして、部員の出身校の先生方もいらっしゃっていて、そういった先生方とお会いしてお話しをする中で、ありがとうという声をかけていただきながら、コロナ禍でありながらも大会運営をする価値というか意味みたいなものを部員たちも感じ、今後につながるような大会となりました。
チームのスタイル「堅守速攻」
バスケットゴールの高さが305cmである以上、先ほどもふれたように、バスケットでは身長が高い選手がいることが勝つための一つの大きな要素になりますが、福山地区で185cmを超える選手はなかなかいませんし、本校も185cmを超える選手はいません。
体格に恵まれた選手ばかりではない中で、全国を目指すためにはオールコートのディフェンスで相手にストレスを与え、ボールを奪ったときには速攻で点を取るというようなバスケットのスタイルを徹底しています。
辻ヘッドコーチが目指す「堅守速攻」
そのスタイルこそ、福山地区の選手だけで全国を目指すためには非常に重要になっています。
広島県最東端の地、福山から全国へ…
辻ヘッドコーチは自身も英数学館高等学校の1期生で、バスケ部のOBでもあります。バスケ部創立当初は、体育館もなくグラウンドの一角で練習をしていたそうです。
大学卒業後、指導者としてバスケ部に戻ってこられて28年。
「バスケ部の歴史は辻ヘッドコーチの歴史」
と言っても過言ではないでしょう。
今回の全国大会出場について辻ヘッドコーチは
「過去に2度、決勝戦まで進みましたが惜しくも全国大会を逃しました。福山地区の選手だけだと、なかなかそこまで戦えるメンバーが揃わないし、私自身がもっと力を伸ばすことができれば、もう少しチャンスが生まれるかもしれません。でもそこまで至っていない部分もあります。そんなに多くはないチャンスの中で、もしかしたら最後まで行けないかもしれない…と思ったこともありました。ですが今年こうやって選手が頑張ってくれた。やっと行けるな、ありがとう、という思いです。」
と、28年来の悲願を果たし感慨深そうに話してくださいました。
全国大会出場が決まると、福山地区の他校の先生方がサプライズで花束と記念品を持って来てくださったそうです。
「皆様から愛され応援される憧れのチーム」
まさにチームのモットーのように、皆様から愛され、応援されるチームが初めての全国の舞台でどのような戦いを魅せてくれるのか、今後も目が離せません!