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楽ではない、IBに飛び込む生徒に共通する1つのもの


英数学館小・中・高等学校では、5か国(アメリカ、オーストラリア、フィリピン、マレーシア、南アフリカ共和国)、18名の外国人教師が指導しています。
子どもたちは様々な国籍の先生たちと触れ合うことで、コミュニケーション能力の向上を図ることはもちろん、多様性についても学ぶことができるのです。
今回は、英数学館高校で国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(DP)の英語授業を担当し、国際バカロレア(IB)のコーディネータも務めるフィリピン・セブ島出身のMomo(モモ)先生のメッセージをお届けします。

英数学館のIBコーディネータに就任

8年前に英数学館に赴任したMomoです。私には教師をしていた叔母がいました。小さい頃、熱意を持って子どもを教えている彼女の姿を見て、教える仕事の意義と奥深さを感じ、将来の夢を教師に決めました。

現在、DPの「Language A」の指導や「CAS(Creativity/Action/Service)」と言われる体験的な学習にも携わっています。CASは初めて聞く方もいるかと思いますが、分かりやすく言うと全員必修の課外活動です。

例えば楽器や美術などの創造的思考を伴う活動、スポーツを教えるなどの身体的活動、ボランティア活動やイベントの参加などの無報酬での自発的な交流活動などです。

印象に残っている活動は、街頭チャリティコンサートです。協賛依頼から会場の許可など、企画・運営まで生徒主体で行いました。当日はたくさんの方にご参加いただき、いただいた寄付金は全額、国境なき医師団に寄付しました。

また、2020年から国際バカロレア機構(IBO)が実施するコーディネータ対象の研修を受け、IBコーディネータも務めています。コーディネータの役割は、IBOとの連携など、IBに関する全ての調整実務です。

フィリピン・中国・日本、常に「生徒」を見つめて

はじめの6年間はフィリピンの学校にいました。大学で一般科学(General science)を専攻していたこともあり、3年間は小学校で理科を教え、その後3年間は外国人を対象としたイングリッシュ・アカデミーで英語を指導しました。

フィリピンは公用語がフィリピノ語(タガログ語)と英語なので、公文書なども英語です。英語を話せることは当たり前の環境なんです。
ここ数年、英語留学でフィリピンへ来る日本人も本当に増えました。私が最初に担当した日本人の生徒とは、今でも連絡を取り合っているんですよ。

様々なレベルの生徒に英語を教えることで英語教師としても挑戦の連続でしたし、多様な文化や考え方に触れられる毎日は新しい発見に満ちていました。そのような環境で私の好奇心に火がつき、次は外国で教えたいと考えるようになりました。

その後、中国に渡り遼寧省にある学校(幼稚園・小学校・中学校)の英語教師を務めました。中国で驚いたのは、フィリピンの子どもたちとは大きく違う、英語を学ぶことへの貪欲さ。競争意識も非常に高かったです。

特に大変だったのは、幼稚園の子どもたちへの指導ですね。3〜5歳だと、中国語もまだまだ。私は中国語が話せない。中国人の先生もいない。そんな環境で、イマージョンクラスのように英語で授業をしました

中国のイングリッシュ・アカデミーでの経験は、私の人生に大きな影響を与えています。

中国は広い国なので、休暇中に旅行をしたのも良い思い出です。その後、中学・高等学校での指導がしたい、日本でのキャリアを切り拓きたいと考え、ご縁があって英数学館に来ました。

国、学校が違えば、指導方針もカリキュラムも違います。ただ、カリキュラムを終えることが目的ではありません。私が常に見ているのは「生徒」。同じ国、学校でも一人ひとり違います。どんなことに興味を持ち、どのようなモチベーション・ニーズがあるのかを理解し、指導を通して生徒の能力や個性を引き出すことが教師の役割だと考えています。

IB成功の鍵は、将来を見据えた意欲

高校2年生になって、いよいよDPが始まるわけですが、高校3年生の11月にあるIBの世界共通テストに向けて、論文作成やプレゼンテーションなど、いわゆる暗記型試験対策だけでない、決して「楽ではない」大学並みの課題の山に飛び込むことになります。

生徒たちは、ただ大学進学を目指すのではなく自分の将来を切り拓くためにIBに飛び込んでくるので、やる気に満ち溢れています。プログラム後半になるにつれて勉強量が増えてくるので、タイムマネジメント力はもちろん必要ですが、何よりも成功の鍵は意欲!

一つの結果に一喜一憂するのではなく、自分の目標や夢を忘れず継続的に努力することが大切なんです。

自学自習ができる生徒、几帳面な生徒、困難から立ち直る力のある生徒。これらの生徒がIBにはあっています。
ですがIBの生徒には誰でもなることができるんです。
なぜなら、それらの力はIBを学んでいく中で身につくものですから。

諦めずにやり遂げること。

それこそが、IBを学ぶ生徒に共通する1つのものです。

卒業生へ願う、世界での活躍

IBが考える国際人教育は、「国際的視野を持つ若者」を目標に掲げており、DPの「成功への強い意欲を持ち続ける」「探究心旺盛」「知識や思いやりのある生徒を育てる」ことを大切にしているところに、私は共感しています。

私も、フィリピンから、中国、日本へとステージを変えていく原動力になったのは探究心であり、教師として、一人の人間として成長し続けたいという意欲でした。今は、多様な環境に飛び込むことによって自分の視野を広げ、これまでの経験を活かして生徒をはじめ誰かの役に立ちたいと思っています。

卒業生には、自分のことも周りの人も大切にして、日本だけでなく世界でも活躍して欲しいと願っています。一人ひとりが自分のポテンシャルを開花させ、関心の幅を広げていってもらえたらと思います。

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英語習得のコツは、恐れないこと

最後に、英語を習得したい人へのアドバイスを。
失敗を恐れずに、とにかく練習すること!リスニングは、映画や音楽、ニュースなどを通して「話し言葉」を理解する練習をしてみてください。

そして、スピーキングの機会を見つけることも大切です。そういう意味でも、英数学館は恵まれた環境ですね。