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学校を改革する!・・・のは思ったよりも大変(奮闘記01)

学校を改革する!

とは宣言したものの・・・、言うは易し行うは難し。と言うのが率直な思いです。


今あるものを変えることは大変!

当たり前といえば当たり前ですが、古今東西、新しく創り出すことも大変ですが、今あるものを変えるには相当のパワーと工夫が必要。

テレビや雑誌で改革の成功談をたくさん読んで、世界中の最先端の教育手法を読み漁って、関係者にたくさん話しを聞いて、理論武装をして・・・。

でもいくら知識をつけても言うのとやるのでは雲泥の差がある。

そもそも何のために改革をするのか。改革する必要があるのか。どこに向かって改革を進めるのか。改善じゃだめなのか。どうやって進めるのか。

ビジョンやミッションを考え、未来の学校の設計図を描いて、関係者に理解していただくことから、実際の教育現場への落とし込みまで、様々な課題をクリアする必要があります。

いろんな抵抗もあります。抵抗と言うよりも、良い意味での摩擦に近いかもしれません。

本気で生徒や保護者と向き合っている教師が多ければ多いほど、教育と言う形や正解のない、ある種得体の知れない?でも人が生きていく上で最も大切な“こと”に本気で立ち向かっている方ほど、“今”を否定されたような気持ちになることもあるでしょう。保護者の方々も不安になるかもしれません。

でも変革・改革は必要です!と断言するだけの根拠がないと、スタートにさえ立つことができません。

英数学館のnoteをはじめて半年近くがたちました。
少しずつですが「学校のナカ」についてお伝えしてまいりましたが、2021年度は英数学館2.0(古い?)ではないですが、決意もあらたに、このnoteのタイトルどおり、「ミライの学校をデザインする奮闘記」として、わたしが今まさに体験している改革の“なかみ”をお伝えしていこうと思います。

かく言う“わたし”ですが、英数学館の理事長・校長ホサとして、また一保護者として英数学館をもっともっと良くしたい、すなわち卒業していった生徒たちが英数学館で学んだから今の自分があるんだ!と胸を張れるような学校にすべく、半分ナカの人として活動している菅 宏司と申します。

菅直人元総理とか、菅義偉現総理とかとは一切関わりはないですが、関係してそうと思われたら改革がうまく行くなら、ずっと昔は関係してたかも?くらいには関係しているのかもしれません。

学校を代表する立場でもないですし、オフィシャルnoteではありますが、あくまで一個人としてオフィシャルの軒先を借りて、でも本気で、忖度なくつづって行きたいと思っています。

教育者でもありませんし、深遠な教育思想も持ち合わせてはいませんが、たぶん多くの人よりも熱量が高いことだけは自負と自信があります。

「奮闘記」と言うくらいですから、連載をしていこうと思うのですが、まずはスタートラインに立たなくては。


なぜ学校の改革が必要なのか?

まずは「そもそもなぜ学校の改革が必要なのか?」と言うことについて、私の考えを整理してみたいと思います。

みなさんもテレビや雑誌などで教育改革とかギガスクール構想、コロナ禍でのオンライン授業や、大学入試改革、学習指導要領の改定、先進的な幼児教育など“教育”と名のつく情報を目にしない日はないのではないでしょうか?

本屋さんにいっても、フィンランドの教育がすごい!にはじまり、世界最強のなんとか教育、ハーバード式なんとかとか、まるまる校長の学校改革とか、いろいろ目にしますが、じゃあなぜ今、こんなに教育が熱いのか。

ずばり、今まで学校で教えてきたことだけでは、これからの社会に求められる人材が育たない。すなわち、今の教育手法だけでは時代ににあわなくなってきたところがある。

ということに尽きるのかなと思います。

グローバル化や、スマートフォンの普及、ビッグデータや人工知能(AI)の活用など技術革新が進む中、10年前では考えられなかったような激しい社会の変化がおこっています。

- 今後10~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い(マイケル・A・オズボーン氏:オックスフォード大学准教授)


- 2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に彼らが小学生の頃には存在していなかった職業に就くだろう(キャシー・デビッドソン氏:ニューヨーク市立大学教授)

などのリサーチも発表されたことをニュース等で知ったかたもいるかと思います。

ドラえもんの世界じゃあるまいし、上のようなことを実感を持って生活している方は少ないかもしれませんが、最近のニュースを見ると、あながち大げさとも言い切れません。

・窓口業務を廃止した店舗を銀行が推進
・無人のコンビニエンスストアがオープン
・かごに入れた商品を会計台におくだけで自動で精算
・ロボットがレストランで注文を聞く

実際、コロナ禍でリモートワークが進んだことから、私の周りの経営者や企業の人事の人たちの間でも様々な議論がされています。

これまでなんとなくチームで進めていた仕事なども明確に役割分担をする中で、自動化できること、人にしかできないことがわかりはじめた。

1時間あたりにアウトプットできる仕事の量や質が人によって違うことが浮き彫りになった。

組織の中でやるよりも専門組織にアウトソースした方が生産性が高いことが改めて判明した。

人が集まったほうが効果が高いこととそうでないことなども明確になってきた。


また1つの組織や日本国内だけで完結できる仕事もどんどん減っています。タイで取れた原料を中国で加工して、日本で素材開発して、イタリア人がデザインして、生産をまた中国でおこない、アメリカ人に売るなんてことは、もはや当たり前のことでもあります。

コロナのワクチンなども、多国籍の企業や研究機関が協同で行っていることも度々ニュースで見た方もいるのではないでしょうか。

加えて、SDGs(エスディージーズ)と言う言葉も最近よく耳にします。持続可能な社会をつくるため、貧困をなくす、不平等をなくす、働きがいも経済成長も目指すなど、国連サミットで採択された2030年までの15年間で達成するために掲げた17個の目標です。

そこで様々な疑問がわいてきます。

・正解がない問いに対して、どうやって答えを出せばいいんだろう?

・1人や1つの国では解決できない課題に対して、どうやって解決に向かえばいいんだろうう?

・人にしかできないことってなんだろう?それをするためには何をどうやって学べばいいんだろう?


このような問いに対して、これが正解です!これが答えです!っていうのがあれば、是非教えていただきたいのですが、それがわからない。

でもこれらの難しい課題に対して、もちろんコンピューターの力を借りながらも、人が考え、議論して、行動していかなくてはならい。

そんな社会に出ていく、これからの子どもたちは、漢字がたくさん書けるとか、字が綺麗とか、早く計算できるとか、年号を沢山覚えている。と言うことがはたして武器になるんだろうか?


これからの教育の役割とは?

長くなりましたが、ここで教育の出番です。だと思います。

今年からセンター試験が廃止され、大学入学共通テストとして生まれ変わりました。「生きる力」を育むことが重要だと、学習指導要領も約10年ぶりに改訂されました。


探究学習や小学校からの外国語教育、プログラミング教育が導入されています。

子供たちが生きてく予測困難なこれからの時代には、どのような資質や能力、それらを育む教育や教師が必要なのでしょうか?

これが、英数学館が本気で改革に乗り出した理由です。だと思います。

これを読んだ校長から考えが甘い!とお叱りを受けるかもしれませんが、次回は校長のインタビューも含め、ぶつかり合う改革の設計図づくりについて、奮闘っぷりをお話させていただければと思います。